製薬会社にドリルダウンは必要か
BIツールのデモンストレーションなどで、「ドリルダウン」という操作がよく登場します。
たとえば、支店別の実績をみて、関東支店の進捗が悪い。次に関東支店をクリックすると、都県別の進捗が表示され、埼玉県の進捗がよくない。今度は埼玉県を選んで販路別に分解すると、県東部の開業医販路の実績が急に落ち込んでいる・・・。
結構、IT部門やユーザー部門内のIT連携部門にウケがいいのですが、果たして、この様なアプローチで分析することがあるのかと常々思います。
現場で数字を追っている担当者は多くの場合、問題の所在を知っていますし、本社の担当者にもレポートされているのではないかと思うのです。もちろん、支店からのレポートがないというケースもあるでしょうし、そもそも、本社一括管理で支店にマーケティング担当がいないというケースもあるでしょうが、日本の病院と診療所の軒数は合わせて11万件( 医療施設動態調査(平成30年2月末概数))。医師数は32万人。そしてその殆どがマスタ整備されています。(薬局や薬剤師も対象にはなるのでもう少し増えますが・・)
マクロ的な視点からドリルダウンなんかしなくても、一覧で管理出来る数ではないかと思うのです。新たな分解の切り口を試していく場合は別ですが、少なくとも、用意されている分解軸( 支店>営業所>MR、販路大分類>販路詳細、都道府県>市区町村 )を掘り下げていって、問題を発見するというまだるっこしいアプローチはないのではないかと思うのです。
MOLAP、ROLAPという切り分けがありますが、そういう意味で、定型レポートのバックエンドとしてMOLAPというのはありだと思うのですが、非定型用のツールとしては、ROLAPを整備すべきだと思うのですが、みなさまはいかがでしょうか?
( 2019.10.29 )