もしレセプトデータがマーケティングやMR評価に使えるとしたら

もし、製薬会社が自社製品に関わる全てのレセプトデータ(患者プライバシーはマスク)を入手出来て、マーケティングやMR評価に利用できたらという妄想シリーズ第一弾です。

レセプトデータ。

現在も、医薬マーケティングの会社が一部を入手して製薬メーカー向けに販売していると思います。

ただし、実消化データの様に自社品データの大半を製薬会社が入手出来ている訳ではありません。

プライバシーもありますし、たぶんお金さえあれば出来るというものでもないのでしょう。

ここでは、患者情報などプライバシーを除去した、自社製品のレセプトデータを全量入手できると仮定して妄想してみます。

広がる利用価値

MR評価指標が2次消化(実消化)から3次消化に変わる?!

医薬分業による院外処方、中でも面分業薬局や医療モールによって、製薬会社は処方元の把握が一部困難になっています。

レセプトデータがあれば、この問題は解消するように思えます。

親子マスタは不要になるかも知れません。

施設照会画面には、品目別に、処方箋応需先薬局が点数の多い順に表示されたりするでしょう。

プライマリー領域の開業医担当MRの評価に関わる公平性の問題は一気に解決するかもしれません。

MR評価の指標が、2次消化(実消化)から3次消化に変わる可能性があります。

ディテールデータ分析がより正確になものになる?!

MRアクティビティデータと、実消化データを基に、MR活動と処方との関連を分析することは今も行われていますが、その精度も飛躍的に向上するかもしれません。

『詰め』はなくなる?

レセプトデータでMR評価をするという事は、2次消化ではなく3次消化で評価するという事になります。
現在、MRは月末期末に薬局や卸に行って「詰め(『あとこれだけお願いします』的な交渉)」をしています。

しかし、患者に処方されない限り、小売店在庫を増やしても、3次消化にはなりません。

3次消化で評価するようになると、詰めという慣行は消滅するのでしょうか?

課題

しかし、課題も見えます。

課題はタイムラグ?!

最大の課題はタイムラグではないでしょうか。

支払基金のサイトを見てみたところ、医療機関は当月分の診療報酬明細を翌月の10日までに提出し、翌々月の10日までに保険者に請求するとなっています。

保険請求と同じタイミングで製薬会社がデータを入手できたとして、MR活動から40日~70日遅れです。

3月に頑張ってディテール活動したとして、成果が見えるのは5月10日。

頑張って採用して貰っても、データに現れるのは翌々月。

少なくとも、これでは評価には使いにくい。

随時提出、随時審査、審査の高速化が実現しないと難しそうです。

デジタル化が叫ばれる現在、審査へのAI導入などにより、不可能な事ではないような気がしますが・・。

卸評価は実消化が必須?!

レセプトデータータからは、納入卸は分かりません。

そしてそれでは卸の評価が出来ません。

納入金額や納入軒数で製薬会社が卸にリベートを支払うという現在の商環境では、実消化データの収集・確保は必須と言えます。

安全性情報伝達や回収

そして重要なのが安全性に関する問題です。

仮に、レセプトの審査期間が画期的に短縮できたとしても、実消化データの入手そのものが不要となる事はないのではないかと思います。

どんなに期間が短縮できたとしても、そこには「所詮は3次消化」という限界があります。

つまり、処方されて初めてデータが発生する訳です。

医療機関の在庫段階では、レセプトデータは発生しません。

それでは製品に不具合があった時の回収には手遅れです。

結局のところ

結局のところ、自社品レセプト全量入手が実現したとしても、実消化データが不要という事にはならなさそうですし、今の診療~保険請求の期間だと、MR評価のメインの柱にすることも難しそうです。

ただ、データ分析などには有益と思われますし、例えばこのデータを用いて高精度でかつリッチ(品目別親施設按分比率搭載)な親子マスタを作ることが出来そうです。

いつの日か、実現する日は来るのでしょうか?

( 2022.01.28 )

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