特定施設の実績を除外したいケース
医薬品が納入されるのは、病院・診療所や、薬局だけではありません。納入実績の中には、MRや支店・営業所の実績にしたくない実績があります。
例えば、チェーン薬局の物流センターへの納入です。
卸は、個別の店舗ではなく、物流センターに納入して、チェーン薬局の物流網で個別店舗に配送するというケースがあります。
JD-NETやNHI-NETからは、物流センターへの納入データが届きます。
この施設(物流センター)の実績は、当然特定のMRの実績にする訳には行きません。たとえば、横浜市の担当が鈴木MRだとして、この物流センターの担当を鈴木MRにする訳には行きません。
また、例えば「東日本物流センター」といったサイズの場合、製薬会社の支店や営業所のテリトリーを超えた範囲の個別の店舗をカバーしますので、特定の支店や営業所の実績にする訳には行きません。
( c.f. 『一括納入 ~納入先を捉える~』 )
また、個別の施設だったとしても、例えば研究機関などの医療機関でないところに大量の納入があったりすると、それも、MRの実績にするのは好ましくありません。
このような場合、いくつかの方法が考えられます。
1.卸納入先・自社施設変換マスタにあえて登録しない。
→ 未登録/施設変換エラー実績にしてしまう。
→ あえて登録していないという事実を管理する必要がある。
2.卸納入先・自社施設変換マスタに除外ステータスを設定する。
→ 全社計からは除外したくないケースでは、使えない。
3.除外対象施設のリストを管理し、実消化データは施設変換した上
で、除外する。
4.通常通りに登録するが、特殊管理用のダミーMRに担当させる。
ダミーMRは特殊管理用のダミー営業所に所属させる。
あるいは同じ手法で本社管理施設にする。
2次卸の様に、卸別に制御する場合は「卸コード」がキーに含まれている段階での対処が必要ですが、卸に関係がない場合は、ケースバイケースでの判断や、あるいは製薬会社のルール( 長い運用の歴史 )によって、使い分けていると思います。
ひとつ区別する必要があるのが、そもそも、全社計から実績を除外するというケースと、MRや営業第一線の実績から除外するという2種類あるという事です。
例えば、2次卸への納入で、2次卸側からもデータの提供を受けているような場合は、実績そのものを除外しないと、2重に計上されることになります。
( 2020.04.03作成、2020.08.17修正 )