販売・返品・値引き・値増し
卸から受信する実消化データには、当たり前ですが、売り上げ区分があります。
『製薬協』の『業界標準マニュアル』には、販売、販売取消、戻り品、戻り品取消、値引、値引取消、値増、値増取消があると、載っています。( ググると出てきます )
BIシステムに実消化データが連携される頃には、『当月仕切価金額』のようなアイテム名になっているかもしれませんが、 実消化システムでは、これらの区分に応じて集計方法を制御します 。
値引き値増しは仕切価レポートに反映されない
ここで注意が必要なのが、販売や返品は、仕切価レポートにも、納入価レポートにも反映されますが、 値引や値増は仕切価レポートには反映されないという事です。
販売や返品は、実際の製品の動きを伴いますが、値引き値増しというのは、卸が医療機関に納入した金額の変更ですから、仕切価レポートには影響がないという事になります。
以下の図は返品や値引きがレポートに反映されるタイミングをイメージしたものです。
レポート上は、『当月実績』のようなアイテム名になっていますが、実際は各売上上区分のデータが集計されています。
そして、返品があったからと言って、実際の納入月の実績を書き換える訳ではなく、返品伝票を受信した月に計上されます。
詰めの翌月は返品が多い?
製薬会社によっては、期末年度末には医療機関に押し込みますから(詰め)、4月の実績の中には、他の月より多くの返品が入っているのではないかと思います。(3月決算の場合)
また、プラリマリー領域の新製品が出る様な場合にも、スタートダッシュの翌月に返品がでるという事もあり得ます。
値増は軒数にカウントしてはいけない
ある月に、値増しがあったとしても、それを軒数にカウントしてはいけません。実際に納入があった訳ではありませんから。
納入価金額>0 という条件で軒数をカウントしてしまうとおかしくなりますから注意してください。
では、仕切価でやればいいのかというと、そこは微妙で、これは各社のシステムの仕様に寄るのではないかと思います。
例えば、ある品目の100錠入り包装10本の仕切価と、1000錠入り包装1本の仕切り価格は異なります( 1000錠入り包装1本の方が安い )。
『換算数量』の定義も会社によって異なるかも知れませんが、仮に、換算数量が錠数に比例して設定されているとすると、1000錠入り1本が返品されて、100錠入り10本が納入されたとすると、換算数量ベースでは±0、仕切価ベースではプラスになってしまいます。