新人SEの方がやった方がいいと思うこと

製薬会社のコマーシャル部門を担当される新人SEの方がやった方がいいと思うことを偉そうに書いておきます。
もちろん、新人でない方もやっていないのであればお勧めします。ただ、お恥ずかしいことですが、自分ができているかということについては棚に上げていますけれども。

  1. 担当会社の売上高や沿革を押さえておく
  2. 主要製品について押さえておく
  3. パイプラインを押さえておく
  4. 企業理念を押さえておく

1. 会社の売上高や沿革を押さえておく

これは、製薬会社の担当SEに限った話ではありません。SEなら担当しているクライアントの会社としての状況を、ざっくりとは知って置く必要があります。売上高、株主、創業者、沿革。ウェブサイトを観ればおおよそのことは把握できます。上場企業なら決算報告書や、決算説明会の動画などを見るのもいいかも知れません。

2. 主要製品について押さえておく

これも当たり前ですが、どの業種にも共通するものと、製薬会社特有のものがあります。

1) 売上高やシェア

これは当たり前なことです。主要な製品について、年間10億売れるのか、1000億なのかというボリュームはもちろん、伸びているのか、落ちてきているのか、競合品の中での位置づけはどうか。

実消化のレポートを目にする機会のある方なら、そこには過去と現在の金額が表示されています。また、計画が載っていれば、計画を立てている製品だということがわかります。ただ、古い情報が載っていないということもあるでしょうから、ウェブサイトの過去の決算レポートなどを見ればいいかも知れません。

市場データのレポートを見ることができたら、シェアの推移も分るでしょう。

また、アクティビティ関連のレポートに触れる機会があるなら、製品ごとの活動量を見れば注力度合いが分かりますし、ターゲット品目かどうかも参考になります。

2) 適応/領域

これも当たり前です。なんの薬なのか?
抗生物質なのか、胃薬なのか、抗がん剤なのかを把握しておくということです。何の薬なのかによって、売れる販路も異なります。

抗生物質や胃薬であれば、何軒に納入したか、どれだけ売ったかという評価の仕方になりますし、卸と共闘することになるでしょう。一方抗がん剤であれば、MR活動も症例単位になってきます。

生物由来製品なら、そのことも知っておく方がいいでしょう。

3) 投与方法

内服なのか、点滴・注射薬なのか、注射薬なら自己注はあるのか。
これによって、薬局で売られるかどうかがわかります。薬局で売られるとなると、卸納入先を自社施設に変換する際の変換エラーが発生しやすくなります。また、値段の高い薬であれば、処方元との紐づけの精度についても課題になるかも知しれません。

3) 製品としてのステージ

発売して間もないのか、特許切れで後発品が出ているのか? 

4) 薬価

高い薬なのかどうかは押さえておいた方がいいでしょう。

5) 納入軒数や売れている販路

薬の種類で、間口が広い製品かどうか、病院で売れるのか開業医なのかというのは見当がつきますが、納入軒数はどれくらいか、どの販路で売れているのかは押さえておいた方がいいでしょう。

6) 他社とのコプロ有無

これは重要です。そもそも自社製品なのか他社から導入した製品なのか。コプロしているのかどうか。JDやNHIのデータはコプロ先から入手するのか、あるいは自社がコプロ先に提供するのか。

卸との間での『グロス』に含まれるのかどうかということも押さえておく必要があります。他社品のプロモーションを行う場合、卸との間の評価品目に含まれないケースがあります。

3. パイプラインを押さえておく

パイプラインというのは、開発中の製品のことです。
これは、ウェブサイトのIR関係のページに割と出ています。

現在フェーズ3のものは、知っておいた方がいいでしょう。新製品の予定を知ることも重要ですが、適用追加の予定も分ります。

4. 企業理念を押さえておく

これは、何のためかといわれると難しいですけれども、まあ、仕事をする上でのモチベーションの維持にも、役立つと思います。ウェブサイトの会社概要のページに出ています。

以上、新人SEの方がやった方がいいことを幾つか上げてみました。

クライアントの方も、こういったことについては、『ご存じないと思いますけど・・』という方もいらっしゃれば、『もっと勉強しておいてよ!』とおっしゃる方もいらっしゃいます。

新人の方は、営業職ならともかく、SEでこれらを把握していくというのは、しんどいかも知れませんし、他にというか、これより先に覚えないといけないことがたくさんあるかと思います。担当領域がクライアントと話をする立ち位置なのか、あるいはもう少し製造に特化したような位置づけなのかでも、必要度合いは変わってくるでしょう。

少なくとも、クライアントと会話する立ち位置の方であれば、会話はよりいい感じになるでしょうし( こいつ生意気と思われる可能性はありますけれど )、ソリューションを提案するような際は、知っていないといけませんから。

( 2020.01.26 )



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA