処方元を捉える - 親子マスタ –

処方元を捉える - 親子マスタ – post thumbnail image

製薬会社は、卸から実消化データを入手しますが、そこでわかるのは、あくまでも、卸が納入した納入先です。

しかし、注射や点滴は病院内で打たれますが、内服薬や外用薬は、処方箋を渡されて、病院の傍にある薬局か、自分の家の近くの薬局で薬を買うのが一般的です。

これを『院外処方』といいます。

一方で、製薬会社としては、マーケティング、MR評価、そしてなによりも情報伝達のために、実際に処方した医療機関を特定したいと考えます。

上図のような場合、薬はa、b、cの各薬局に納入されますが、実際の処方はAクリニックで行われています。しかし、卸から入手する販売データ上、注射薬や点滴など院内で投与されるものを除いて、Aクリニックは現れてきません。

製薬会社は安全性情報、適正使用にかかわる情報をa、b、cの各薬局だけでなくAクリニックにも伝達する必要がありますし、Aクリニックに対してプロモーション活動を行ない、製品の処方獲得に貢献したAクリニックの担当MRを評価する必要があります。

親子マスタ

そのため、処方元と処方先の関係をマスタとして管理しています。

『親子マスタ』などと呼ばれるこのマスタは、自社でメンテナンスするところもあれば、外部の医薬品マーケティング会社からデータを購入したり、あるいはその組み合わせで維持されます。

しかし、薬局の処方元は1件の医療機関だけとは限りません。

病院や診療所の直ぐそばにある薬局は、大半の処方箋が、そばの病院から来ていると考えていいでしょうが、病院や診療所から離れたところにある薬局や、あるいは最近よく見かける医療モール(ビル診)だと、そこに入っている薬局をどこかひとつの医療機関と結びつける訳には行きません。

その場合、その薬局はマスターの登録上は、親施設を持たない薬局として管理されます。

処方箋の多くを特定の医療機関から受け入れている薬局を『門前薬局』、複数の医療機関からの処方箋を受け入れている薬局を『面分業薬局』といいます。

ただし、医療モール内の薬局の場合は、モール内のどこかの施設を親にすることはあるかも知れません。 たとえば、その会社が眼の薬だけを販売している場合、モール内の眼科医院を親にして差し支えない訳です。

また、薬局の親施設を、薬剤ごとに管理している製薬会社もあるかも知れません。循環器の薬が売れた場合と、消化器の薬が売れた場合で、親施設を分けるということです。

この様に、製薬会社は薬局の処方元・親施設を管理しています。

それでは、どのようにその薬局の親施設を特定し、そして判断しているのでしょうか?

ひとつの情報源は自社のMRです。そしてもうひとつが冒頭にも書きましたが、外部データの購入です。そして、処方箋の応需率を基に親施設をどこにするか、あるいはどこともひもづけないかを決めます。

上の図の様に、複数の薬局から処方箋を受け入れている場合、特定の医療機関からの処方箋が、その薬局の受け入れる処方箋の例えば70%以上を占めるときに、親施設として登録するという様なルールを決めています。

しかし、ある製薬会社が眼科の薬だけを販売しているとして、ある薬局の処方箋応需率70%の内科医院があったとします。多品目を扱っている製薬会社なら、処方箋応需率に基づいて親施設を設定することが合理的かもしれませんが、眼科の薬だけを販売している製薬会社の場合、 全品目での処方箋応需率に基づいて親施設を設定することは合理的ではないといえます。

いずれにしても、親子の登録は実態を100%正確に表したものではないということです。

しかし、MRの評価という観点では、上図の全ての施設を同一のMRが担当すれば、MRの正しい評価という点では、問題はないという事になります。

2019.7.14

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です