MRアクティビティと製品納入の関係をデータから解析すること

データ分析が流行っています。統計解析、予測モデル、ビッグデータ、データサイエンティストにデータアナリスト。。。

製薬会社においても同様です。「今期の異動でデータサイエンティストになりました」という方が、『うちのデータを使って何か出来ないですか?』と質問するようなケースもあります。
これは、お気持ちは分かります。世の中では流行っているし、本社のスタッフとしては結果を出さないといけませんから。

「何か出来ない?」はともかくとして、永遠のテーマなのが、MRアクティビティと、製品納入の関係性の分析です。

コール資源は有限ですから、有効活用しなければなりません。

どのような時に、どの顧客に対して、どのようなコールを行えば処方獲得につながるのか、あるいは脱落を防ぐことができるのか。コール先をITがリコメンドできれば( リコメンド自体はできますが、正しいかどうかが問題 )、そして、それが有効であれば、経験の浅いMR対して、あるいはいわゆるスーパーMRでない普通のMRに対して、大変有効なツールとなるでしょう。

データ解析によって作成した予測モデルをSFAに搭載して、訪問先をリコメンドする。なかなか素敵です。

予測モデルを構築するにあたって、過去のMRアクティビティデータと、実消化データを基に解析を行えば、何らかのモデルはアウトプットされます。

コンサル会社さんなどは、「缶ビールの隣におむつを置いたら売り上げが伸びた」的なトークを華麗にされたりするのですが、MRアクティビティと実消化の関連性をデータから予測するのは、データの構造と、網羅性の2つの点から、なかなか難しい状況があります

1.実消化実績は病院や薬局で発生するがMR活動の対象は医療従事者である

医師が一人しかいない開業医であれば、MRのコール実績と実消化実績の紐づけは可能です。しかし、大きな病院になると、当然複数の医療従事者がいます。現場にいれば、コールすべき対象医師や採用につながった活動は一目瞭然かもしれませんが、ドボドボッとデータをITに投入したとして「このような状況下でのこのような活動が処方獲得に貢献する」というアウトプット( しかも納得性のある )が、出てくるかというとなかなか難しい。

さらに、大学病院など大きな病院になってくると、ディテールの内容も専門性が高くなってきますので、そもそも、ITでリコメンドするのはなかなか難しい。

2.訪問規制のバイアス

さらに、病院によっては、MRの訪問を規制しているところがあります。その場合、その病院に対するMRの活動量は、病院のポテンシャルに比べて低くなりますので、その結果をもとに予測モデルを作るとミスリードとなります。

3.開業医の場合はどうか

では開業医の場合はどうでしょうか。100軒以上の施設を担当するのは普通ですから、どこを訪問すべきかのリコメンドがあれば有効です。施設に対して実質的に医師1名であれば、有効な解析ができそうです。

しかし、開業医の場合、MRによる訪問活動の他、卸のMSによる訪問活動が影響します。自社MRのアクティビティデータのみを基に予測モデルを作ったとすると、インプットデータに不足ありということになります。

卸によっては、自社MSの訪問データを製薬会社に提供しているところもありますが、すべての卸が提供しているわけではありません。

簡単なようで、なかなか難しいテーマであるといえます。

(2019.11.24)


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