登場人物
そういえば、登場人物のことを書いておりませんでした。
ざくっとこんな感じです。もちろん会社によって異なると思います。一般的な感じをイメージで描いてみました。
一部について解説します。
私は製薬会社の人ではないので、不足しているところや、ニュアンスが違うもあると思います。すみません。コメントにご指摘した抱けると嬉しいです。
製薬会社の支店・営業所の人
MR ( medical representative )
『医薬情報担当者』と言います。日本におよそ6万人。
いわゆるメガファーマであれば、1社に2,000人以上が所属しています。
薬の適正使用を推進します。
ちなみにwikipediaには、以下のように書かれています。
医薬品の適正使用のため医療従事者を訪問することなどにより、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主な業務として行う者
以前は『プロパー』と呼ばれていましたが、業界の改革の中で現在は「価格交渉」などは行わなくなりました。
呼び名は違えど、製薬会社の営業ととらえていいと思います。
詳しいところはググってください。
営業所長、支店長
MRの上長と、その上長です。
ただし、支店-営業所という組織体系になっていない製薬会社も当然あります。営業所長は、定期的にMRと同行し、ディテール活動の指導をします。
これを『所長同行』と言います。
支店流通担当
製薬会社において、医薬品卸を担当する部署です。支店管轄エリア内の4大卸の営業部や、地場卸を担当します。
マスタメンテナンス担当
会社によって人数や配属場所は異なると思います。支店に置くケースも本社に置くケースもあるのではないでしょうか。
施設マスタ、医師マスタ、卸納入先自社施設変換マスタ等のメンテナンスを行います。外資より内資の方が力を入れているという印象があります。
全面的にアルトマーク社のマスタに依存していたとしても、『 卸納入先自社施設変換マスタ 』のメンテナンスは必要となりますが、そもそも、マスタメンテナンス業務そのものをアウトソースしているケースもあります。
医薬品卸の人
MS ( Marketing Specialist)
MRと連携して医療機関を回ります。例えば、100施設担当しているMRがいたとすると、MRは重要顧客を回って、残りはMSにカバーしてもらうというような感じだと思います。
開業医販路を担当するMRにとってMSと強力な関係を築くことは重要です。医療機関との価格交渉はMSが行います。
以前は、「セールス」と呼ばれていました。
月末には、MRとMSとの間で翌月の納入先の確認を行います。( 積上げ )
製薬会社の本社の人
次に、製薬会社の本社関係です。(コマーシャル関係)
マーケ
PM(プロダクトマネージャ):
製品を担当し、その販促の立案と推進を行います。
( ※2021.08.13 PMの説明が「製品プロモーター」になっていたので訂正しました。正しくは「プロダクトマネージャ」です。)
販路担当:
製品ではなく、『病院』『開業医』『薬局』といった『販路』の販促を担当します。役割として明確に切り出されているかどうかは会社によると思います。外資の様に、製品領域毎に事業部が分かれているような場合は、ひとつの事業部はコンパクトになりますから、役割としての明確な定義がないかも知れません。
このような役割ができるのは、多数の品目を一つの事業部が扱うとともに、プライマリー領域の製品を扱っているケースになると思います。
例えば、オンコロジー製品のみを扱う事業部や会社であれば、販促の対象は『病院』であり、 販路ごとの販促立案は必要性が薄いという事になります。いずれにしても、製品という視点ではなく、病院・診療所や薬局などマーケットを向いた役割です。
データ分析担当:
今はどの会社にもいらっしゃるのではないでしょうか?
いま流行りのお仕事です。
計画担当
これも、独立した役割として切り出されているかどうかは、会社によると思います。タスクとしては、実消化の計画立案管理、進捗管理を行う役割です。ビジネスサポートと呼んでいる会社もあります。
IT案件とりまとめ担当
これも、会社によると思います。各部署からあがるIT関連リクエストの受付、交通整理を行い、ファシリティトや予算管理、IT部門との調整を行います。製薬会社のIT部門を担当するSEにとって、情シスの担当者と並んで重要な存在になります。
本社流通担当
医薬品卸を担当する部門です。4大卸の本社を担当します。
流通スタッフ組織
本社流通担当、支店流通担当がいずれも卸を担当するのに対して、流通担当部門としての計数管理、計画管理、リベート管理、IT案件とりまとめ・推進、などを行います。
流通部門の大きさは会社によって異なると思います。一般には、外資より内資の方が規模が大きいのではないでしょうか。また、プライマリー領域の製品を多く抱えたている会社において充実しているのではないかと思います。
(2020.03.22)