ターゲット作りすぎ問題

これは仕方のないことではあるのでしょうし、「問題」というのは私が勝手に言っているだけなのですが、ターゲットDrやターゲット施設には多くの種類があります。

施設+医療従事者+品目がキーと書きましたが、厳密には、

施設+医療従事者+ターゲットの種類と書いたほうが正確かも知れません。
ターゲットの種類には、品目もあれば別の意味合いもあります。

通常のターゲットは、『主要品目の今期来期の処方につながる』というのが定義だとして、それ以外に、たとえば「品目にかかわらず、自社製品のファンにする」とか「自社製品領域の若手医師を自社シンパにする」みたいな目標が掲げられたりすると、それもターゲットDrの一種といえます。
或いは、直接処方箋を書いたり、採用に関与しないが、その分野で影響を持っている、いわゆるKOL(キーオピニオンリーダ)も、通常のターゲットDrとは分けて管理されます。

さらに、通常のA製品のターゲットDrとは別に、製品プロモーターやマーケティング部門が特別な思いをこめて推進したい「××○○するぞターゲット」のようなものが設定されるケースもあります。

こうしてどんどんターゲットは増えていきます。プロモーターやマーケッターにすれば、渾身の譲れない重要なターゲットかも知れませんが、MRにしてみれば、ターゲットありすぎという事態になります。

以前、MRから本社のマーケティング部門に抜擢されたばかりの方に、本社スタッフ用BIツールの説明をさせていただいた事があるのですが、
「この『××○○』ってなんですか?」と訊かれ、
「去年から新設されたA製品の『××○○するぞターゲット 』の事ですよ」と答えると、
「ああ、みんなが『何これ意味わかんない、テキトーに設定しておこう』って言ってたやつか・・・」

そのように仰っていた方も半年もすると渾身の重要施策の一環として新しいターゲットを考案され、現場に設定を指示します。
かくして、MRの設定するターゲットは増えて行くのでありました。

ターゲットのスラム化

そうやって増えて行ったターゲットですが、本社担当者が新設したターゲットは、その方が本社に居られる間は、推進が徹底されますが、その方が異動されると放置されたりします。
かくして断捨離の得意な担当が来るまでは、とりあえずそっとして置かれる事になるのでありました。
例えば、「自社製品領域の若手医師を自社シンパにする」に設定されているDrは、とっくに中堅の医師になっていたりとか・・。

( 2019.12.05 )

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